|
ここからは、架空のページと架空の数値を使って考えます。実在するサイトの実績ではなく、判断方法を説明するための例です。
ある「営業代行の費用と料金体系」というページをGSCで確認したところ、次のようなクエリが見つかったとします。
「営業代行 費用」では、表示回数8,000回、平均掲載順位7.2位。
現在のページには、料金体系の大まかな説明はあります。ただし、費用が変わる条件まで十分に説明できているかは、本文を読んで確認する必要があります。
「営業代行 初期費用」では、表示回数2,200回、平均掲載順位8.4位。
現在のページには、初期費用の使い道が書かれていません。初期費用が発生することは伝えていても、何に対する費用なのかがわからない状態です。
「営業代行 成果報酬」では、表示回数1,600回、平均掲載順位10.8位。
成果報酬についての説明はありますが、何を成果として扱うのかが曖昧です。読者が、契約条件や費用発生のタイミングを判断するには情報が足りません。
「営業代行 契約期間」では、表示回数700回、平均掲載順位12.1位。
現在のページでは、契約期間と費用の関係が説明されていません。どの期間で予算を考えるべきなのか、読者が判断しにくい状態です。
「営業代行 求人」では、表示回数3,000回、平均掲載順位6.5位。
数字だけを見ると、無視できない表示回数があります。しかし、このページは営業代行を依頼する企業に向けた費用の解説であり、仕事を探している人に向けた求人ページではありません。ページの目的と検索意図が異なっています。
この一覧を見たとき、表示回数があるクエリをすべて追加してはいけません。「営業代行 求人」は表示回数も順位も悪くありませんが、発注者向けの費用解説に、求職者に向けた募集条件を大量に追加すると、ページの目的が変わってしまいます。
今回、まず検討するのは「初期費用」と「成果報酬」です。どちらもページの主題である費用と関係があり、説明の不足も具体的に見つかっています。
「初期費用」という単語ではなく、初期費用を判断する材料を追加する
修正前の文章が、次の一文だけだったとします。
| 「営業代行では、月額費用に加えて初期費用が発生することがあります。」 |
この文章は間違っていないとしても、読者が比較するための材料は少ない状態です。「何のために支払うのか」「どこまで含まれているのか」「月額費用と重複していないか」といった疑問が残ります。
そこで、追記案としては、たとえば次のような文章が考えられます。
| 「初期費用を確認するときは、金額だけでなく、立ち上げ時に実施する作業の範囲を確認しましょう。比較項目としては、営業先の選定、営業リストの準備、トークスクリプトの作成、報告項目の設計などが考えられます。依頼先ごとに含まれる作業は異なるため、見積書には対象作業と納品物を明記してもらうと比較しやすくなります。また、運用開始後の修正が月額費用に含まれるのか、追加料金になるのかも、併せて確認したい項目です。」 |
これは一般的な説明文の作成例であり、実際に掲載するときは、対象サービスの契約内容や確認できた事実に合わせて調整します。自社サービスのページなら、抽象的な説明で終わらせず、自社では何を行い、何が含まれないのかを書く必要があります。
この修正によって増えているのは、「初期費用」という言葉の数ではありません。初期費用を比較するときに、読者が確認できる項目です。
「成果報酬」は、成果の定義まで説明する
同じように、成果報酬について「成果が出た場合に報酬が発生します」とだけ書いてあっても、判断には不十分です。読者が知りたいのは、どの時点で成果と認定され、何が対象外になり、費用がどう確定するかだからです。
ここでは、実際の契約内容に応じて、アポイントの設定、商談の実施、受注など、どの段階を成果とするのかを明確にします。さらに、キャンセルや対象条件に合わない商談が発生した場合の扱いなど、読者が比較時に確認すべき事項を説明する構成が考えられます。
重要なのは、サービスごとに異なる条件を、勝手に一般化しないことです。「成果報酬なら固定費はありません」「キャンセルは必ず無料です」といった表現は、実際の契約で確認できなければ書けません。SEOの追記を理由に、事実ではないサービス条件を作らないようにしてください。
検索語句は、何を説明するべきかを考える手がかりです。しかし、説明の中身は、自社の実態や信頼できる資料から作ります。この役割分担を守ることが、実務ではとても重要です。
|